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毎日、完全醗酵(して生きたい日記)

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汚染を「拡散」しないで!の巻

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 写真は、東北関東大震災から三ヶ月目の6月11日に世界中で開催された「脱原発デモ」(僕が参加したのは新宿)の時の物です。新宿だけでも参加者が2万人を超えていました。

 先週、とてもショッキングなニュースがありました。

 江東区にある汚泥処理施設「東部スラッジプラント」近くのグラウンドで、23万ベクレル/㎡という高濃度のセシウムが検出されました。

 これは、江東区内の保護者でつくる「NO!放射能『江東こども守る会』」が、神戸大学の山内知也教授(放射線計測学)に依頼をして行った独自の調査から明らかになりました。6月7日に行われた、都庁での記者会見は→こちら

 土壌調査はフランス政府にも認証されている放射能調査機関のアクロ(ACRO)にも依頼され、同じような結果が出ています。

 グラウンドで検出されたセシウム:230,000Bq/㎡は = 23Bq/㎠

 日本でいう「放射線管理区域」(4Bq/㎠を超える恐れのある場所)の基準の6倍の値です。

 「放射線管理区域」とは、「必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない」場所です。労働基準法でも、18才未満の者は放射線管理区域で労働することを禁じられています。

 このセシウム汚染の値は(Cs-134 + Cs-137の合計)です。
セシウム137のみの値は約11万6千ベクレル/㎡です。(山内知也教授による土壌調査の結果は→ こちら

 チェルノブイリ事故の際に旧ソ連が正式にに決めた「汚染地域」の基準の3万7千ベクレル/㎡をはるかに超えています。

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(脱原発デモには、いつも外国からの方も多く参加されています。特にドイツの方が多いです。日本のために・・・涙)

 山内教授:「下水を通じて集められた放射能が、汚泥 の処理工程を通じて再度大気環境中に放出される結果になっていることが指摘できる」。すなわち「ホットスポットが、今現在も「再生産」され続けていると見られる」

 京都大学原子力実験所の小出裕章氏は、「汚泥処理施設で焼却して処理しているのであれば、煙にのって放射性物質が大気中に出てきて、それが周辺に汚染を広げている」可能性があると仰っています。

 このことを考えると、4月に近畿大学の山崎秀夫氏の調査で、江東区亀戸で特に高い土壌汚染が検出されたことの説明がつきます。

 もしも、高濃度に濃縮された焼却灰が施設外に飛び散ったり、焼却工程で放射性物質が大気中に「再拡散」されているとすれば、とても恐ろしいことです。

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(デモ行進中に「プルト君」T-シャツを着た方を発見!!欲しい〜。ばっちりキマっているカップルさんをカシャリ。因に、93年に「日本原子力研究開発機構」が制作した、プルトニウムの「安全性」をPRしたアニメ:「プルトニウム物語 頼れる仲間プルト君」は→ こちら

 東京都内には、10カ所以上の汚泥焼却を行っている施設があります:

 東部スラッジセンター(江東区新砂)・葛西水再生センター(江戸川区臨海町)・みやぎ水再生センター(足立区宮城)・新河岸水再生センター(板橋区新河岸)・南部スラッジプラント(大田区城南町)・北多摩一号水再生センター(府中市小柳町)・南多摩水再生センター(稲城市大丸)・北多摩二号水再生センター(国立市泉)・浅川水再生センター(日野市石田)・多摩川上流水再生センター(昭島市宮沢)・八王子水再生センター(八王子小宮町)・青瀬水再生センター(青瀬下宿)

 
 山本洋子さんのご主人の牟礼さんに教えて頂いた情報:

 特に、葛西・新河岸・みやぎ・北多摩1号と2号・南部スラッジの周辺が要注意。
 
 東京都水道局ホームページの「下水処理における放射能等測定結果」を見ると、汚泥焼却灰のセシウム濃度が特に高いです。

 都や区は早急に、汚泥処理施設周辺・更には都内の広い範囲の土壌調査(そして情報公開を)を行うべきです。

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 (ばっちりキマったカップルさんの背中には、このようなメッセージ入り団扇が。確かに。)

 大田区の下水処理施設「南部スラッジプラント」の施設内では、毎時2.7マイクロシーベルト、最高で3.08マイクロシーベルトという高い放射線量が測定されています。これは、計画的避難区域に指定されている飯館村の現在の放射線量に匹敵する数値です。

(*福島第一原発事故が起きる以前の東京の放射線量は毎時0.05マイクロシーベルトです)

 小出裕章氏曰く、「管理区域にして管理するための手続きも必要なはず」と仰っています。施設の作業員の被曝環境もとても心配だと仰っていました。

 更に心配なことは、この汚泥がセメントとして再利用されることです。既に「基準値」を超えたセシウムを含む汚泥が混ざったセメントが15万トン以上出回っているそうです。

 そのセメントを使った建物や道路からは、長い年月放射線が放出されることになります。

 日本は既に、いつ・何処から「汚染」の影響を受けるかわからない状況になっています。

 小出先生は「これからは今までと違う世界に生きるしかないと思っていただくしかない」と仰っていました。

 風向き・降雨による「ホットスポット」だけではなく、「人為的」なホットスポットの出現は止めなければいけません。

 今日、もう一つニュースがありました:
 筑波大学による土壌調査で千葉県、茨城県の一部から4万ベクレル/㎡のセシウム137(放射線管理区域と同等のレベル)が検出されました。国や自治体は調査をしているのでしょうか?(公表していないだけでしょうか?)
 
 子供たちが泥だらけになって遊ぶ公園などでそのような土壌汚染があれば大変なことです(あってはならないこと)。適切な対策を取るためにも、ちゃんとした情報が必要です。

1日も早く正確な情報が公開されることを願います。
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by kanzenhakkou | 2011-06-15 02:49

大切な日本の国土とその汚染

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(文科省と米国エネルギー庁によって作成された汚染マップ

 今、私がとても気になって気になって仕方がないことをまとめて書いてしまいました。とても長くなってしまいました。(ごめんなさい)
 
 福島第一原発事故による土壌汚染の深刻さが報道されるようになりました。

 福島第一原発から北西に30キロ以上に渡る(面積で600㎢)という広範囲で、チェルノブイリ原発事故当時(旧ソ連)の「強制移住」基準の1平方メートルあたり148万ベクレルを超えています。

 汚染マップの赤い部分は300万~1470ベクレルという、「強制移住」レベルをはるかに上回る汚染地域です。90年にベラルーシ政府が「強制移住対象」とした基準の55万5千ベクレルの地域を含めると700㎢という広範囲になります。その外側も汚染地域は北関東まで広がります。

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(チェルノブイリの汚染地域との比較がしやすいので、こちらのブログから拝借してしまいました)

 土壌汚染の目安はセシウム137の蓄積量(Bq/㎡)が基準になります。このようなチェルノブイリ級の汚染の地域に未だに避難せず、暮らしている方がたくさんいることは本当に恐ろしいことです。(30万Bq/㎡以上の高汚染地帯に未だに7万人の人たちが住んでいます)

 それなのに、政府は避難指示を出すどころか、ICRPが定めた一般人の年間被曝限度が1ミリシーベルトであるところを、「計画的避難区域」の基準を年間積算量20ミリシーベルトとしました。

 文科省による、子供の校庭での野外活動の基準も20ミリシーベルトとなっていますが、これはとんでもない数値です。

 20ミリシーベルトとは、ドイツの原発労働者の年間被曝限度です。日本では、原発労働者で累積5.2ミリシーベルトを浴びて白血病の労災を認定されているので、いかに異常な値かがわかります。年間7ミリシーベルトで白血病を発病して亡くなった、原発労働者の母のドキュメントです。是非観てみてください(涙なしでは観られません)。

 米科学アカデミーは「被ばくには、これ以下なら安全」と言える量はない:「被爆のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない」という最新の報告書を発表していますーBEIR-VII (2005)
詳しくは、京都大学原子力実験所の小出裕章先生の講演でも説明されています。

 土壌の汚染の話に戻りますが、深刻な土壌汚染は福島県、東北地方に留まりません。

 5月15日の朝日新聞朝刊で、近畿大学・環境解析学の山崎秀夫先生が首都圏の土壌汚染を測定した結果が発表されました。(5月27日の現代ビジネスでも取り上げられています)

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 土壌調査によると、東京都内の土壌でも高い汚染が確認されています。東京都内で検出されたセシウムの方が千葉県、茨城県よりも高いという結果が出ています(降雨によって落とされたホットスポットでしょうか?)。その中でも亀戸(1kgあたり3201ベクレル)は特に高い値です。

 山崎先生は、「福島第一原発が爆発する前はどの地点でもほぼ1kg当たり10ベクレル程度の低い数値でしたので、江東区亀戸の3201という数字を見ればいかに異常な状況かが分かります」と仰っています。

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<ここで公表されているセシウムの濃度(Bq/Kg)は、Cs-134とCs-137の合計です>

 チェルノブイリなどの土壌汚染は、セシウム137の蓄積量(Bq/㎡)が基準になっています。比較をしてみたかったので、山崎先生に直接メールをして、セシウム134とセシウム137の割合と、Bq/㎡への換算の仕方を教えて頂きました。

<山崎先生は、土壌の採取の際は土の表面1cmを削られているそうです。土の密度は1.3g/㎤としています>

 1平米=100cm×100cm×1cm(厚みの推定値)×1.3 (土の比重) =13,000(グラム)=13キログラム、ということで、13倍という計算。(例) 2,000Bq/Kgであれば、2,000 x 13 = で蓄積量は26,000Bq/㎡になります。

<そして、今回検出された値は、Cs-134とCs-137の割合はほぼ1:1だそうです> それを基に計算してみました:

東京都内の Cs-137の濃度(Bq/Kg):

千代田区二重橋前横 : 952
千代田区皇居東御苑天守閣跡:655.5
中央区築地:573.5
江東区亀戸:1,600.5

それを、Cs-137の蓄積量(Bq/㎡)に換算すると:

千代田区二重橋前横 : 12,376
千代田区皇居東御苑天守閣跡:8,521.5
中央区築地:7,455.5
江東区亀戸:20,806.5

東京都で一番高かった地域の亀戸は20,807Bq/㎡。
Ci/㎢(キュリー)に換算すると約0.56Ci/㎢です。
(1Ci/㎢ = 37,000Bq/㎡)

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 これはチェルノブイリ事故の際の、上の図よりももっと広い範囲の汚染図です(わかりいにくいですが、チェルノブイリから図の右上のエカテリンブルグ市までの距離2000kmです)。東京も濃いオレンジ色の0.2~1.0Ci/㎢の地域に入ってしまいます。

 実際に、チェルノブイリ原発事故の際に旧ソ連が正式に「汚染区域」と定めたのは1Ci/㎢(37,000Bq/㎡)以上の地域です。(1平方cmあたり3.7ベクレル以上)
 
 これは、日本の法令で定めた「放射線管理区域」:「1平方㎝当り4ベクレルを越える汚染の「恐れのある」場所」に近い値です。

 前回のブログにも書いた、GEの原子力事業部に所属し、プラントの設計などの業務に従事していた経歴があるIACの上級原子力コンサルタント・佐藤暁氏は、4月中旬の時点で:

「足立区内の東綾瀬公園にある雨で濡れた木製のベンチ上で測定をしたところ、1平方cmあたり3Bqの汚染が確認された」と、4月27日 (水)衆議院・決算行政監視委員会で発表されています(3Bq/㎠ = 30,000Bq/㎡ = 0.8Ci/㎢ )。記事は→ こちら

 そして、「3Bqという数値は、その後、減っておらず、今後2~3年は同程度で推移すると思います。今回調査したのは足立区内の公園だけでしたが、場所によっては4Bqを超える公園があっても不思議ではありません」と仰っています。記事は→ こちら



 山崎先生が土を採取された日も4月中旬頃だということを考えると、今後も雨によって運ばれた放射性物質が増加している可能性も考えられます。山崎先生は、セシウムは「土壌に吸着すると、雨が降ったくらいでは流されずに強く沈着します。土砂降りで泥そのものが流されない限り、いつまでも(セシウム137の半減期は約30年)そこに留まるのです」と追記しています。

 1~3号機が全てメルトダウンしていて、格納容器も破損していることを考えると、放射性物質の放出は現在進行形です。元東芝の格納容器設計技術者の後藤政志さん曰く、3号機の場合は「格納容器内の圧力は、ほとんど大気と同等(約1気圧)ですから、溶融した燃料から出ている放射性物質はそのままツーツーで外気に放出されている」と仰っています→ こちら



 チェルノブイリ事故から10年後に制作された、NHKスペシャル「終わりなき人体汚染:チェルノブイリ原発事故から10年」(1996年)では、「低汚染地域」でガン・白血病など健康被害が増大してきた事実に焦点が当てられています。そこで、原発から200Km離れていて、政府によって「人体に影響はない」とされてきた、ベラルーシ・ポレーシア地方のゼルジンスク村が取り上げられています。
 
 驚く事に、そこでは村の住民の体内被曝レベルが高濃度汚染地帯の住民とあまり変わらないほど高いレベルであったという事実が発覚しました。この村の住民は自給自足的農業を営んでいるため、高濃度の汚染地帯の食品は食べていませんでした。それは「低濃度汚染」の地域とされてきた土地でも、土→草→牛→乳製品→人体といったサイクルの中で放射性セシウム(セシウム137は300年ほど放射線を出し続ける物質)が濃縮されていったからだと考えられています。

 ゼルジンスク村の、事故から10年後に計った土壌のセシウム137の濃度は1,068Bq/kgでした。それに比べて、そこで育った牧草では15,544Bq/kgとなんと15倍。

 「低濃度汚染」と分類され、政府によって「健康被害の心配はない」と言われた地域でも生活習慣、摂取制限が行われなかったことによって、多くの健康被害が起こりました。

 チェルノブイリ事故後、ロシア科学アカデミーのアレクセイ・ヤブロコフ氏他、現地で調査をした医者・疫学者たちの調査によると、チェルノブイリ原発事故では、事故が起きた1986年から2004年までの間に、事故による影響(癌や心臓病 脳障害 甲状腺ガンなど)で100万人近くが亡くなったとしています。死者数はさらに増え続けています。

 ですが、国際原子力機関のIAEAのホームページを見ますとチェルノブイリの死者数は計4千人と出ています。IAEAは多くの健康被害に関して「放射線の影響との関連性が認められない」と、原子力推進機関であるが故に多大なる過小評価をしたのです。原子力ラッシュの時代に、深刻な「健康被害」は、とても都合の悪い話だったのです。



(広河隆一さんがチェルノブイリ周辺の子供達の身体に何が起こったのかを取材されたドキュメンタリ−です。一人でも多くの人に観て頂きたいです)

 放射線の健康へのリスクは、単純に放射線量だけでは説明が出来ません。チェルノブイリ事故の放射能放出でスウェーデン北部が汚染された際、学者のマーチン・トンデルが114万人を対象にした8年にわたる疫学調査を行い、セシウム137の土壌汚染とがん発症率の関係を調べました。その結果、100KBq/㎡(=100,000Bq/㎡)の汚染あたり、11%増の有意なガンの増加率が検出されました (Tondel et al 2004)→ こちらこちら

 現在、日本政府が採用しているとされるICRPの基準は、主に外部放射線量のリスクを基準にしていて、最も危険とされる「内部被曝」(分子・細胞レベルでのリスク)が考慮されていない、と欧州放射線リスク欧州委員会(ECRR)は批判しています→ こちら

 琉球大学名誉教授・矢ケ崎克馬氏による「内部被曝」についてのとてもわかりやすい説明です→ こちら(是非読んでみてください)。矢ケ崎先生の講演は→こちら
 
 土壌が汚染されれば、放射性物質が沈着した土や埃が舞う際に吸い込んだり、水や食べ物に含まれる放射性物質を取り込むことによって、知らないうちに「内部被曝」していきます。

 欧州放射線リスク委員会(ECRR)のクリス・バスビー教授は「日本の文部科学省の公式データに基づき、福島第一原発事故による土地の放射能汚染がもたらす健康への影響を分析し、今後50年間で、同原発から半径200キロメートル圏内では約40万人のがん患者が追加的に生じる可能性がある」と予測されています。(今後、同じ場所に留まった場合)
 
 これは共同通信の英語版では報道されていますが、「沖縄タイムズ」を除き他の日本のマスメディアからは無視されました。日本語訳をしてくださっている方がいました→ こちら

 ロシア科学アカデミーの評議員で、ゴルバチョフ大統領のアドバイザーであったアレクセイ・ヤブロコフ博士は、チェルノブイリでの経験からこのようなメッセージを伝えています:

「もしあなたが(放射線による)『直ちに害はない』という言葉を聞いたなら、出来る限り遠くに、出来るだけ早く逃げるべきだ」

 突然の私の質問に対して、ご親切に教えてくださった近畿大の山崎先生、どうもありがとうございました。
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by kanzenhakkou | 2011-06-03 01:40